论《细雪》的叙事手法_日语论文.rar

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要旨:

 

 谷崎潤一郎の『細雪』は彼の中後期の代表作の一つである。デビュー以来、「悪魔主義」「官 能主義」などで有名であった谷崎は、この作品で以前とは違う作風を表し、評論家たちから は「古典回帰」という評価を受けた。この作品で表されている「谷崎美学」についての研究 は多かったが、絵巻物のような描き方についても、多くの研究者の興味を引いている。当論 文は物語学の面から『細雪』を詳細に読み込んだうえ、その物語の語り方を様々な角度から 分析している。

当論文は五つの章で構成される(序章、正文の三つの章及び終章)。 序章は、まず谷崎潤一郎の創作生涯の様々な期間を回顧する。その創作期間の分け方は様々

であるため、期間の整理をせず、期間ごとの代表作とスタイルを紹介する。二十五歳でデビ ューして以来、関東大震災の後に関西へ移住し、戦後に至るまで、谷崎は旺盛な創作力をも って大量の作品を書き続けていく。官能や神秘の色合いが強かった早期作品と、晩年の母恋 いと近親相姦的愛欲の系譜の作品の間に、『源氏物語』現代語訳と『細雪』の二部の大作が作 られ、この二つの作品の間には深い相関関係がかいま見られる。谷崎の創作の行く道を回顧 し、また同時代の永井荷風や志賀直哉と比べることにより、谷崎の作品は鮮明な個人の色彩 を持っていることがわかる。最後に、三島由紀夫がまとめた谷崎文学の三つの命題を通じ、

『細雪』が谷崎の創作生涯及び日本文学史に与えた重要性を示す。 第一章は『細雪』のバックグランドを簡単に紹介する。バックグランドは時代背景や物語

のあらすじ、及び作中人物と作者の周りの実在人物の関係を含めている。また、今までの四 つの方向の主な先行研究を紹介し、当論文と先行研究との違いをも提示する。

 第二章は『細雪』の物語の語り方について述べる。まず、作品の中で使われる全知的な視 点と第三者視点を組合わせた視点を解析する。この小説では、人物の視点がひんぱんに移り 変わり、主に幸子とその夫の視点で多くの事件が語られている。作者が意図的に全知的な視 点に制限を設定し、側面から主人公の性格を彫り出すためである。また、『細雪』は会話で構 成される小説で、一つの話が三人以上の人物によって次々に伝えられていく場合が多い。当 論文はこのような重層的な書き方の優れている点を提示する。最後に、作中の時間は六年間 に渡り、その間に様々な事件が起こった。先行研究では、時間軸を一直線と見なす例もある が、時間の循環を主張する論点もある。当論文は先行研究を参考した上で、作中の閉鎖され た家族の世界が外部に影響されつつあるように、時間軸は「閉鎖」するとともに「循環」し ているという意見を出す。

 第三章は『細雪』の人物像の作り方を論ずる。谷崎が『陰翳礼讃』で披露した美学観念を 合わせ見たうえで、主要な人物である雪子と妙子を「陰翳」と「光」の対照と見なす。谷崎 の陰翳の美しさを賞賛する美学を反映するように、雪子に代表される「陰翳」の美しさは物 語が進むにつれ表面化していく。一方、「光」と見える妙子は物語の展開につれ堕落していく。 さらに分析してみると、この二人の性格は対比された「表」と「内」の面を持っている。ま た、このような対比となる性格を描くため、補助としての周囲の人物たち――幸子や貞之助、 及び外国人たち――がそれぞれ違う書き方で巧みに描かれている。

 終章は前の四章をまとめたうえで、谷崎が『陰翳礼讃』やほかのエッセーで披露した美学 観念がどのように彼の小説創作の中で実践されていくのかという、次のテーマを提議する。

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