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要旨:井伏鱒二は新興芸術派の中で極めて特異な作風を持っていた作家である。彼の文学作品は題材範囲が広く、頗る研究価値を有する。本論文は井伏の初期作品における小動物世界について研究し、井伏の内面を解読し、その創作特色を分析してみた。 本論文は、井伏の初期作品に登場する山椒魚、蛙、小蝦、目高などについて一つずつ分析を行い、特に山椒魚の心理特性を中心として、彼の内心における矛盾性を掘り出したのである。そして、井伏の内面の矛盾、すなわち、当時の文壇の波を追うことと自己の創作風格を保つこととの矛盾を分析する。また、他の小動物の寓意や彼らが山椒魚との関係を分析し、作者が様々な小動物を通じて人間社会の世態人情を反映するという結論を得た。蛙にしても、小蝦にしても、人間社会でその原型を見つけることができる。作者はこういう比喩の方法を通じて、自己の内面の不安や矛盾を表すだけではなく、社会の様々な人間像に対して風刺しているのである。 そのほか、私は井伏のもう二篇の小動物を描く小説、「鯉」と「屋根の上のサワン」について比べながら分析し、井伏の作品における小動物世界の共通点を得た。すなわち幽閉、孤独、悲しみ、友情、夢などである。その上、これらの共通点のかなめは不自由の問題であることを指摘した。最後に、井伏鱒二の創作特色やそれを形成する原因について簡単に分析した。 キーワード:山椒魚 蛙 小蝦 目高 サワン 幽閉 絶望 孤独 寓意
摘要:井伏鳟二是日本新兴艺术派中极具特色的一位作家。他的作品涉及范围很广,颇具研究价值。本论就是要通过对井伏鳟二的处女作以及其初期的作品中呈现的小动物世界进行研究,以此来解读井伏鳟二的内心世界,分析其创作特色。 在本文的论述中,我将文中的山椒鱼、青蛙、小虾、鳉鱼等小动物抽出来,逐一进行分析。重点对山椒鱼的心理及其寓意进行分析,发掘了山椒鱼内心的矛盾性,进而分析了井伏鳟二内心的矛盾心理。即跟随大众潮流还是追求自己的创作风格的矛盾。另外还通过分析其他小动物的角色的寓意以及它们和山椒鱼的关系,进一步得出了作者通过诸多小动物反映人间百态的结论。青蛙也好,小虾也好,都可以在人类社会中找到其原型,作者通过这种比喻的方法,既反映自己内心的矛盾与不安,又对社会上的种种人物进行了讽刺。 另外,还就井伏鳟二的另外两篇有关小动物的文章进行了比较分析,得出了井伏鳟二文章中小动物世界的共同之处。即幽闭、孤独、悲伤、友情、梦想等。这些共同点中的关键是不自由的问题。最后,还简单分析了井伏鳟二的创作特色及其形成的原因。 关键词:山椒魚 青蛙 小虾 鳉鱼 沙凡 幽闭 绝望 孤独 寓意 |