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要旨:芥川竜之介は日本大正時代の代表的な作家の一人で、短編小説で世界に知られていて、日本国内甚だしきに至っては世界範囲内すべて高い名声を有す。芥川竜之介の作品の中で、中国と最も関係が密接なのは『支那遊記』だ。『支那遊記』については、今までのところ、大陸に2つの節訳本と3つの全訳本がある。『支那遊記』の各種の訳本に対し、比較研究を行なえば、中国における芥川竜之介の受容が窺う。 「受容美学」という概念は20世紀の60年代の末にドイツヤーウスが出すもので、20世紀の70、80年代にいたっては、はかり知れない影響がある1つの美学の流派になった。すなわち受容美学だ。読者から出発し文学作品を研究し、読者が受動的な受取人ではなく、能動的な創造者だという点はその理論の核心である。受容美学は文学研究の視閾を作者、作品中心から読者中心に変換し、読者の地位を高め、文学作品の内包を豊かにし、文学理論の新しい領域を開拓した。受容美学の理論は20世紀に80年代に中国に入って来ており、その発展に従い、多くの方はそれを文学研究上に応用しようとする。現在、受容美学を翻訳研究に応用するのはまだ試験的な段階に留まり、ある程度まで成果を遂げたにもかかわらず、依然として不足は明らかに存在する。『支那遊記』への研究はやや多いが、受容美学の角度からその訳本の相違を分析するのはなお少ない。本稿は「受容者の役割」、「期待視野」、「美的懸隔」、「空白理論」といった受容美学の核心概念をめぐって、芥川竜之介の『支那遊記』の2つの中国語訳本に対して比較しようとする。
キーワード:受容美学;受容者の役割;期待視野;美的懸隔;空白理論
目次 要旨 中文摘要 1.序論1 2.受容美学と文学翻訳の関係2 2.1受容美学について 2.2文学翻訳における受容美学の応用 2.2.1受容者の役割 2.2.2期待地平 2.2.3美的懸隔 2.2.4空白理論 3受容美学の視角から見た『支那遊記』の訳本の比較.4 3.1原稿のテキストに対する訳者の受容 3.1.1テキストの「空白」に対する補充及び調整 3.1.2テキストの「不確定性」に対する確定 3.2読者に対する訳者の配慮 3.2.1文化の面 3.2.2 言葉の面 4期待地平による訳者への影響 9 4.1言葉の面における翻訳策略の選択 4.2社会的・歴史的要素による翻訳策略の選択 5結論.11 参考文献 . 12 謝辞.13 |