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要旨
言葉はコミュニケーションの道具として時代と共に発展していくものだと言えるだろう。我が国において毎年流行語が出てくるように、日本の若者達も彼らなりの言葉を生み出している。当然のことながら、これらの言葉も専用的な名前を持っている。「若者言葉」ないし「若者語」と呼ぶ。そのいずれの名前もこういった言葉の特徴の一つである-——若者を中心に広がる言葉、を反映している。人それぞれが年齢や生活経験などにおける相違があるため、物事への観点や意見に違いが出るのも当然のことである。従って、若者言葉の誕生以来、いろんな評価を浴びてきた。そのなかに、文法の面では「ら抜き言葉」[「見る」のような上一段活用動詞、「食べる」のような下一段活用動詞、また「来る 」の活用の種類であるカ変動詞の可能表現としてそれぞれ「見れる」「食べれる」「 来れる」とするものは、「ら」を含んでいないということから「ら抜き言葉」と呼ばれる。]や「敬語の乱れ」[「○○社長はおられますか」など、本来尊敬語として「○○社長はいらっしゃいます か」と言うべきところを、謙譲語の「おる」を使ってしまい、その後に尊敬の助動詞「れ」をつけて尊敬表現にしている場合など。]などの批判が主流となり、また、近年にいたって、これとは別の面でも問題とされてきた。例えば、対人関係の面では、若者言葉から若者達の「人間関係の希薄化」、「複雑な人間関係から逃げる心理」[ 詳しい説明は第6頁。]などが現れているという説も研究論文や公開講座などのマスコミなどからしばしばうかがっている。そして、まだ十分研究されていないようだが、使い方の面で、旧来の使い方から離れ、新たな用法を持つ言葉も取り上げられた。そして、本論文において、上記の対人関係の面で問題化された言葉に焦点を絞って、また、従来の使い方から離れ、新たな用法を持つ言葉をも加え、分類し、これらの言葉はコミュニケーション上でどのようなポジティブな効果があるのかを考察してみたい。
キーワード:若者言葉 人間関係の希薄化 コミュニケーション ポジティブ 機能
目次 中文摘要 要旨 1.はじめに-1 2.若者言葉について-2 2.1 若者言葉とは-2 2.2 本論文における若者言葉とその評価の現状-2 3.若者言葉のコミュニケーション効果の考察-4 3.1 ある程度画面感を出し、話しの場を生々しくし、話しを分かりやすくできる-4 3.2 会話の場の雰囲気を和らげることができる-6 4.おわりに-10 参考文献-11 |