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要旨
松尾芭蕉は俳聖と呼ばれて、有名な俳句や紀行文を多く残したが、その中で一番代表的な作品は『奥の細道』である。『奥の細道』は紀行文学の至宝であることは、昔も今も変らない。旅行中、「別れ」は避けがたい話題で、芭蕉は「別れ」に関する描写が独特のスタイルを持っている。本論文は『奥の細道』の中で様々な人物との「別れ」をまとめて、文学的な「別れ」の風格特徴と芸術特色を研究する。 まず、江戸時代の幕藩体制と宿駅制度を簡単に紹介する。これらは江戸時代の交通が発達した、共に芭蕉の旅の基礎となって、多くの便利を提供した。そして、芭蕉の人生と蕉風の特色も紹介して、『奥の細道』の重要性を強調する。 それから、旅中いろいろな「別れ」を主に三つの部分に分けて分析する。毎回の「別れ」は芭蕉に違う感想と影響をもたらす。友人や弟子との「別れ」から義理人情が重視される性格が見える。西行法師に対する尊敬、模倣及びその「別れ」から蕉風の成熟を促成させることになる。 最後に、「別れ」について中国詩人杜甫と比較する。芭蕉は杜甫のように政治への偉い夢を抱くことはないものの、杜甫の閑寂な詩境を理解した。杜甫の詩句風格から習った滅びた国への「別れ」は複雑な憂国愛民の悲壮感情を持っていないが、侘びの詩境にすり替えてなんて珍しいである。
キーワード:松尾芭蕉 奥の細道 別れ
目次 中文摘要 要旨 1.はじめに-1 2.『奥の細道』の成立について-2 2.1江戸時代の社会背景-2 2.2松尾芭蕉について-2 2.3『奥の細道』について-3 3.人との「別れ」-4 3.1出発時の「別れ」-4 3.1.1芭蕉出発時の準備-4 3.1.2 最初と最後の出発-5 3.2 様々な人物との「別れ」-5 3.2.1 西行との「別れ」-5 3.2.2 友人との「別れ」-6 3.2.3 他の人との「別れ」-7 4. 「別れ」について杜甫との比較-8 4.1杜甫受容-8 4.2滅びた国への「別れ」の異同-8 5.おわりに-10 参考文献-11 |