要旨

『羅生門』は芥川龍之介の1915年に発表した短編小説である。この小説は一人の下人が盗人になると決めるまでの心理変化を描いて、エゴイズムのある思想に支配された人間の心の醜さを読者に示した。それに、その時代に住んでいた人々の生活の重さをしみじみと感じられ、作者がこの作品によってその時代を批判しようとする趣旨が分った。

本論文では、まずは行動や心理から主人公の下人と老婆それぞれの人物性格を分析して、より一歩深く人物のイメージを理解する。次に、エゴイズムの原因について、今まで大部分の研究者はその原因は環境にあると考えた。エゴイズムの原因は当然当時の社会環境と関係があるが、それだけで不全面的だと思う。それゆえ、本論文では、環境だけではなく、主人公たち自分自身の体験及び人間関係への分析によって、エゴイズムの原因を明らかにしようと思う。同時に、エゴイズムの原因という問題の解決は多方面から主人公たちの人物イメージや作者がその時代背景への批判を理解するのに役に立つ。

キーワード：羅生門；エゴイズム；社会環境；人間関係

目次

要旨

中文摘要

1.はじめに1

  1.1 先行研究

  1.2 問題提起

2. 下人のエゴイズムについて　.2　

  2.1 下人の行動からの分析

　2.2心理学から下人の心理変化への分析

3.老婆のエゴイズムについて4

　3.1老婆の行動からの分析

  3.2老婆の心理からの分析

4.エゴイズムの原因5

　4.1個人的な体験

　4.2羅生門世界の環境状況

　4.3人間関係

5.おわりに8

参考文献.10

謝辞